トーク出力とアピアランス
ゴーストの台詞は、どんな工房を通って、ウェイトや改行の効いたさくらスクリプトに仕立て上がるのかしら――組立、後処理、そして表情と着せ替えまで、舞台衣装の裏側をご覧に入れますわ。
採寸から仮縫いまで、お嬢様おひとりで針をお持ちになるのでございますか。
わたくしひとりで、ですって? 針を持つのは、Lua と Rust の二人がかりですわよ!
この章では、ACT に積まれたトークからさくらスクリプトを組み立てる出力処理と、サーフェス・着せ替えの観測と復旧(アピアランス)を扱う。ウェイトの長さ・自動改行の幅・外見の復旧規則など、利用者から見た振る舞いは @pasta_sakura_script・pasta.toml リファレンス・アクター辞書 が正である。
目的と責務
トーク出力は、シーンの実行中に ACT が積んだトークンの列を、ベースウェアへ返す 1 本のさくらスクリプト文字列にする。
この章が責務を持つのは次の事項である。
- ACT の
buildが行う前処理: トークンをアクターの切り替わりで束ねるグループ化と、連続する発言の結合 pasta.shiori.sakura_builderによる組立: トークンの種類ごとの出力、スポットの解決と\p[N]の出力、段落区切りの改行、選択肢の前後の行の区切り、終端の\e@pasta_sakura_scriptの後処理(Rust): さくらスクリプトの単位(タグ・エスケープ・囲み)と文字を分けるトークナイザ、ウェイトの挿入、budoux による改行- アピアランス: 出力した文字列からサーフェス変更・着せ替え・スコープ切替を観測して記録し、アクターの切り替え時に外見を復旧するタグを出力する仕組み
- 装いの出し入れ:
pasta.tomlの[actor."名前"]のfont(装い)のタグ列を、話者の切り替えと\c・\xの後に出力し、\f[default]で既定の表示へ戻す仕組み
次の事項は他の章が権威を持ち、この章では再記述しない。
buildがいつ呼ばれ、その戻り値がどう応答になるか(act:yield()・シーン終了時のbuild・再開のループ)は ランタイム実行モデル で扱う。@pasta_sakura_scriptを VM に登録する継ぎ目(RendererInjection)と presentation マーカーは SHIORI 層 で扱う。- ACT のメソッドとフィールドの個々の仕様は Lua ランタイム内部モジュール で扱う。シーン関数がどの ACT のメソッドを呼ぶかは トランスパイラ で扱う。
- 文字の分類・ウェイトの値・budoux の幅の指定方法は @pasta_sakura_script と pasta.toml リファレンス が正である。段落区切りの改行量は spot_newlines、台詞の後の選択肢の前の改行量は choice_newlines、選択肢の後の改行量は after_choice_newlines、budoux の数え方は budoux、スポットの決まり方は バルーン連携、外見の復旧の規則と記録できない指定は 同一スポット共有時の外見の復旧、装いの書き方と利用者から見た出し入れは 装い(font) と 1 つのスポットを複数のアクターで共有する が正である。
fontの検査とタグ列への置き換えは ローダ自己展開とモジュール解決 で扱う。
構成要素
全体の経路
シーン関数
act:actor_proxy("アクター"):talk(…) / :sakura_script(…)、act:surface(…) / :wait(…) / :set_spot(…) …
│ フラットなトークンの列(act.token)
▼
pasta.shiori.act SHIORI_ACT_IMPL.build
│ ACT_IMPL.build(pasta.act)
│ group_by_actor … アクターの切り替わりで type = "actor" のグループに束ねる
│ merge_consecutive_talks … グループ内の連続する talk を 1 つに結合する
│ グループ化トークンの列
▼
pasta.shiori.sakura_builder BUILDER.build(グループ化トークン, { spot_newlines, choice_newlines, after_choice_newlines }, STORE.actor_spots, STORE.appearance)
│ アクターの切り替え: \p[spot] → APPEARANCE.restore(復旧タグ) → STYLE.switch(装いの出し入れ)
│ talk / sakura_script: @pasta_sakura_script.talk_to_script(アクター, テキスト, スポットの行の状態)
│ └ Rust: トークナイザ → ウェイト挿入 → budoux 改行(行の状態を読み書きする)
│ その他のトークン: 種類ごとのタグ
│ 内側の各片を STYLE.through に通し(\c・\x の後の装いの出し直し)、APPEARANCE.observe に観測させる
▼
さくらスクリプト文字列(末尾は \e)
Lua 側
| モジュール(ファイル) | 役割 |
|---|---|
pasta.act(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/act.lua) | トークンの蓄積(talk・sakura_script・raw_script・surface・wait・newline・clear・choice・choice_timeout・set_spot・clear_spot)と、build の前処理(局所関数 group_by_actor・merge_consecutive_talks) |
pasta.actor(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/actor.lua) | アクタープロキシ。act:actor_proxy("アクター") などで得たプロキシの :talk(…)・:sakura_script(…) を、アクターを添えた ACT の talk・sakura_script に委ねる |
pasta.shiori.act(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/act.lua) | pasta.act を継承し、build を「ACT_IMPL.build でグループ化トークンを得て BUILDER.build に渡す」処理に差し替える。spot_newlines・choice_newlines・after_choice_newlines は [ghost] から読む。渡す前に BUILDER.speaks で台詞の有無を見て act の欄 _spoke を立て、チェイントークの割り込みでは中断のシーンのグループ化トークンと差し替える(ランタイム実行モデル) |
pasta.shiori.sakura_builder(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/sakura_builder.lua) | グループ化トークンをさくらスクリプト文字列にする BUILDER.build と、字のある talk か choice があるかを答える BUILDER.speaks(talk の字の判定は下の has_text) |
pasta.shiori.appearance(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/appearance.lua) | 外見状態の生成(APPEARANCE.new)・観測(APPEARANCE.observe)・復旧(APPEARANCE.restore)と、さくらスクリプトの単位の読み取り(APPEARANCE.tag_at。ビルダーが字の判定と \c の読み取りに使う)。状態を持たず、渡された状態の表をその場で更新する。STORE や @pasta_* を require しない |
pasta.shiori.actor_style(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/actor_style.lua) | 装いの状態の生成(STYLE.new)、話者の切り替えで出す戻すタグと装いのタグ(STYLE.switch)、内側のトークンの \c・\x の後の出し直し(STYLE.through)。状態を持たず、渡された状態の表をその場で更新する。タグの読み取りは APPEARANCE.tag_at だけを使い、STORE や @pasta_* を require しない |
pasta.buf(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/buf.lua) | 組立に使う文字列バッファ。LuaJIT の string.buffer があればそれを、無ければ同じ put・tostring を持つ最小実装を使う |
pasta.failure(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/failure.lua) | 失敗表記の raw_script トークンを積む報告の出口。sakura_builder は未登録の印を読む(失敗の報告(pasta.failure)) |
pasta.store(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/store.lua) | ビルドをまたいで保持する STORE.actor_spots(アクター名 → スポット)と STORE.appearance(外見状態)を持つ |
Rust 側(crates/pasta_lua/src/sakura_script/)
| ファイル | 役割 |
|---|---|
crates/pasta_lua/src/sakura_script/mod.rs | @pasta_sakura_script のモジュール表を作る register。talk_to_script と break_lines の実装、アクター表からのウェイト値と改行の規則(budoux・budoux_newlines・budoux_jump)の読み取り、talk_to_script の 3 つ目の引数(行の状態の表)の読み書き |
crates/pasta_lua/src/sakura_script/tokenizer.rs | Tokenizer(さくらスクリプトの単位(タグ・エスケープ・囲み)の正規表現 SAKURA_TAG_PATTERN と文字の集合 CharSets)と、文字の種類 TokenKind、クラスタを切り出す next_cluster |
crates/pasta_lua/src/sakura_script/wait_inserter.rs | ウェイト値 WaitValues と、トークン列に \_w[ms] を挿入する insert_waits |
crates/pasta_lua/src/sakura_script/line_breaker.rs | budoux の分かち書きで改行を挿入する break_lines_impl。行の状態 Column、改行の規則 BreakRule、行を動かす単位の見分け(局所の column_move と動き ColumnMove) |
文字の集合とウェイトの既定値は TalkConfig(crates/pasta_lua/src/loader/config/sections.rs)が持つ。[talk] セクションを TalkConfig にする仕組みは ローダ自己展開とモジュール解決 で扱う。budoux の分かち書きは依存クレート budouy の既定の日本語モデルを使う。
処理とデータの流れ
トークンの蓄積
ACT のメソッドは、さくらスクリプトに依存しない表を act.token に積むだけで、文字列は作らない。トークンの形は次のとおりである。
type | フィールド | 積むメソッド |
|---|---|---|
talk | actor・text | act:talk(アクター, テキスト)(アクタープロキシの talk 経由を含む)。text が nil なら積まない(変数参照の展開なら、代わりに値の無い変数の失敗表記を積む) |
sakura_script | actor・text | act:sakura_script(アクター, テキスト)(アクタープロキシ経由) |
raw_script | text | act:raw_script(テキスト)。SHIORI 用の ACT では set_property・get_property も積む。失敗表記(実行時の失敗の出力)は pasta.failure の FAILURE.report が積む(失敗の報告(pasta.failure)) |
raw_script | text・actor | 未登録アクターの目印。act:actor_proxy が FAILURE.report を通して積む(生成コード用のメソッド)。text は目印の表記で、失敗表記を出さない設定では空文字列になる |
surface | id | act:surface(ID) |
wait | ms | act:wait(ミリ秒)(0 以上の整数に丸める) |
newline | n | act:newline(回数)(既定 1) |
clear | — | act:clear() |
choice | target・display・scope | act:choice(ジャンプ先, 表示)。scope は積んだ時点の current_scene.__global_name__(実行中のシーンが無ければ nil) |
choice_timeout | seconds | act:choice_timeout(秒) |
spot | actor・spot | act:set_spot(名前, 番号)。act.actors に無い名前なら積まない |
clear_spot | — | act:clear_spot() |
talk・sakura_script と actor 付きの raw_script(未登録アクターの目印)だけが発言したアクターを持つ(話者のトークン)。surface などアクターを持たないトークンは、次のグループ化で直前の発言者のグループに入る(出力の先頭か clear_spot の後で、発言より前に積んだものはアクター nil のグループに入る)。
グループ化トークン
ACT_IMPL.build は act.token を取り出して空にし、0 件のとき、またはすべてが text の空の raw_script のとき(失敗表記を出さない設定で残った目印だけの場合など) nil を返す。1 件以上なら次の 2 段で列を作り直す。
group_by_actorは列を先頭から走査する。spotは、そのまま結果に置く。グループは閉じない。clear_spotは、そのまま結果に置き、現在のグループを閉じる。後の発言と表示制御などは新しいグループに入る。- 話者のトークン(
talk・sakura_script・actor付きのraw_script)は、グループがまだ無いか、トークンのactorが現在のグループのアクターと別の表であれば、新しいグループ{ type = "actor", actor = …, tokens = {} }を結果に追加してから、そのグループのtokensに入れる。同じアクターなら現在のグループに入れる。 actorの無いraw_scriptは、グループがあればそのtokensに、無ければ結果に直接置く。- それ以外(
surface・wait・newline・clear・choice・choice_timeout)は、グループがあればそのtokensに入れ、無ければアクターnilのグループ{ type = "actor", actor = nil, tokens = {} }を結果に追加してから、そのグループのtokensに入れる。グループが無いのは、出力の先頭かclear_spotの後で、まだ発言を積んでいないときである。
merge_consecutive_talksは、各グループのtokensの中で隣り合うtalkのテキストを連結して 1 つのtalkにする。sakura_scriptなどtalk以外のトークンが間にあれば結合は切れる。
結果は、type = "actor" のグループと、spot・clear_spot・グループの外の raw_script が並ぶ列になる。アクター nil のグループは、発言より前に積んだ表示制御などを積んだ順に持つ。組立はこのグループでスコープ切替タグを出さず、内側の出力はアクター未指定(nil)として観測される(さくらスクリプトの組立)。失敗表記(未登録アクターの目印を除く)は actor の無い raw_script のため、直前に話したアクターのグループの内側か、グループが無ければ最上位に置かれる。どちらもスコープ切替タグを出さず、グループも区切らないため、後に同じアクターが話しても切り替えの出力は増えない。
トークンの種類と出力
BUILDER.build は、グループ化トークンの列の最上位とグループの内側で、種類ごとに次の出力をする。
| 位置 | type | 出力 |
|---|---|---|
| 最上位 | spot | 出力しない。actor_spots[アクター名] = spot を記録する |
| 最上位 | clear_spot | 出力しない。actor_spots の全エントリを消し、組立の状態(直前の発言者・スポット・段落区切りの判定・最後に表示したもの・行の状態)をリセットする |
| 最上位 | actor | アクターが直前の発言者と別なら切り替えの出力(次節)。続けて内側のトークンを順に出力する |
| 最上位 | raw_script | text をそのまま |
| 内側 | talk・sakura_script | SAKURA_SCRIPT.talk_to_script(グループのアクター, text, 行の状態) の戻り値(後処理済みの文字列) |
| 内側 | surface | \s[id] |
| 内側 | wait | \_w[ms] |
| 内側 | newline | \n を n 回(行の状態を n 行進める) |
| 内側 | clear | \c(行の状態を最初の行に戻す) |
| 内側 | raw_script | text をそのまま |
| 内側 | choice | scope が文字列で、target が On・script: で始まらなければ \![*]\q[display,target,scope]、それ以外は \![*]\q[display,target](display・target・scope の \・]・, を \ でエスケープする)。scope は選択時に OnChoiceSelectEx の Reference2 として戻る(既定ハンドラ) |
| 内側 | choice_timeout | \ |
| 内側 | 上記以外 | 空文字列 |
talk_to_script を通るのは talk と sakura_script だけである。surface・wait などのタグ、raw_script、choice の出力は後処理を通らず、ウェイトも budoux の改行も入らない。choice と字を出すトークンの直前には、組立が行の区切り(\n[N] または \n)を出すことがある(さくらスクリプトの組立)。
さくらスクリプトの組立
BUILDER.build(グループ化トークン, config, actor_spots, appearance) は、config.spot_newlines(既定 1.5)・config.choice_newlines(既定 1.5)・config.after_choice_newlines(既定 1.0)と、config.buffer_factory(既定 pasta.buf の new。テストが差し替える)を使う。SHIORI 用の ACT は actor_spots に STORE.actor_spots を、appearance に STORE.appearance を渡し、BUILDER.build はどちらもその場で書き換える。nil を渡された場合は、そのビルドの中だけの空の表を使う。
組立は、1 回のビルドの中だけで生きる次の状態を持つ。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
last_actor | 直前に切り替えの出力をしたアクター(nil から始まる) |
last_spot | 現在のスポット(現在のスコープ) |
spot_has_text | スポットごとに、このビルドで字を出すトークン(字のある talk、字を表示する sakura_script)を出力したか |
pending_break | 現在のスポットで、次の字を出すトークンの前に段落区切りの改行を出すか |
spot_tail | スポットごとに、このビルドでそのスポットのバルーンに最後に表示したもの("text" か "choice"。値が無ければ、まだ何も表示していない)。last_spot が nil の間は、スポット 0 として読み書きする |
columns | スポットごとに、budoux の行の状態の表({ line, width, jump }。行の状態の表)。局所関数 column_at が、無ければ { line = 1, width = 0, jump = false } を作る。添え字は spot_tail と同じ(last_spot が nil の間は 0)。グループの頭で話し手のスポットの表を 1 度取り、グループの内側のトークンに渡す |
グループのアクターが last_actor と別の表であれば、アクターの切り替えとして次を行う(emit_actor_switch)。
- スポットを
actor_spots[アクター名]から引く。無ければ 0 とし、アクターに名前があれば警告をログに出す。act:actor_proxyが作るその場限りのアクター(未登録の名前)はactor_spotsに無いため、ここで 0 になる。このアクターには未登録の印(FAILURE.is_unregistered_actor)があるため、警告は出さない(未登録アクターの警告が既に出ている)。 \p[スポット]を出力する。- 続けて
APPEARANCE.restore(appearance, アクター, スポット, グループの内側のトークン)が返す復旧タグを出力する(アピアランスの観測と復旧)。 - 続けて
STYLE.switch(style, アクター, スポット)が返す戻すタグと装いのタグを出力する(装いの出し入れ)。 pending_breakをspot_has_text[スポット]で決め直し、last_spot・last_actorを更新する。
last_actor は各ビルドの初めに nil なので、アクターを持つ最初のグループでは必ず \p[N] が出る。グループのアクターが nil のときは切り替えの出力をせず、現在のスコープのまま内側を出力する。
内側のトークンは、種類と状態から次の表で行の区切りを決める。字を出すトークンと choice は、区切り・状態の更新・トークンの出力の順に処理する。区切りはトークンの出力の直前(choice のマーカー \![*] の前、字を出すトークンのテキストの先頭のタグより前)に入り、1 つのトークンの前に出すのは 1 つだけである。字を出すトークンは 字の定義 で決まる。
| 内側のトークン | 条件 | 直前に出す区切り | 状態の更新 |
|---|---|---|---|
| 字を出すトークン | pending_break が真 | \n[spot_newlines × 100 の切り捨て] | pending_break を偽、spot_has_text[last_spot] を真、spot_tail を "text" にする |
| 字を出すトークン | pending_break が偽で、spot_tail が "choice" | \n[after_choice_newlines × 100 の切り捨て](N が 100 なら \n) | spot_has_text[last_spot] を真、spot_tail を "text" にする |
| 字を出すトークン | 上の 2 行以外 | 出さない | 同上 |
choice | spot_tail の値が無い | 出さない | spot_tail を "choice" にする。spot_has_text・pending_break は変えない |
choice | spot_tail が "text" | \n[choice_newlines × 100 の切り捨て] | 同上 |
choice | spot_tail が "choice" | \n[after_choice_newlines × 100 の切り捨て](N が 100 なら \n) | 同上 |
clear | — | 出さない | \c を出力したうえで pending_break を偽、spot_has_text[last_spot] を偽にし、spot_tail の値を消す |
| 上記以外 | — | 出さない | 変えない |
幅つきの改行のタグは、spot_newlines と choice_newlines のどちらも局所関数 newline_tag が作る。after_choice_newlines の区切りは局所関数 plain_newline_tag が作り、newline_tag の結果が \n[100] なら \n を返す。choice の前の区切りは局所関数 choice_break が決める。
表の区切りは、どれも局所関数 put_break が出す。put_break は、区切りのタグが空文字列でなければ、それを出して話し手のスポットの行の状態を 1 行進める(局所関数 next_column。字数は 0 にする)。区切りを出す所はすべて put_break を通す。出力バッファは最後に出した片が単位にならない \ で終わるかを覚えていて(局所関数 tracking_buffer)、pasta が出す片を足す put は、片が \ で始まり前の出力が単独の \ で終わるとき、\ を 1 つ足してエスケープの \\ にしてから片を足す(片の頭の \ が前の \ とつながって \\ に読まれるのを防ぐ。足した後の末尾はエスケープなので、続けて足さない)。区切り、newline の \n と clear の \c、talk_to_script が台詞の頭に入れた改行(変換の結果が \ で始まり、頭の 2 バイトがテキストの頭と違うとき)、話し手の切り替えの \p[…] と外見の復旧のタグ、表情・ウェイト・choice_timeout・choice のタグ、終わりの \e は、どれも put を通る。作者が書いた片、つまり変換の結果の頭がテキストの頭と同じ台詞(作者が台詞の頭に書いたタグ)と raw_script は、守らない put_raw で足す(局所関数 head_written_by_author)。spot_tail の添え字は last_spot(nil の間は 0)である。last_spot が nil の間は spot_has_text を書かない。choice は pending_break を変えないため、保留中の段落区切りの改行は choice の後の字を出すトークンの直前に出る。
talk・sakura_script のテキストに引数の無い \c があるトークンは、テキストを切らずにそのまま出力し、状態だけを次のように扱う(局所関数 text_parts)。\c の位置は、変換前のテキストを APPEARANCE.tag_at で読んで探す(局所関数 clear_span)。エスケープと囲みの中はタグとして読まない。
- 表の「字を出すトークン」に当たるかは、最初の
\cより前の部分だけで判定する(talkはhas_text、sakura_scriptはscript_shows_text)。字があれば表のとおりに区切りと状態の更新をし、無ければ表の「上記以外」として出力する。 - 出力の後、
pending_breakを偽にする。 - 最後の
\cより後ろの部分に、1 と同じ判定で字があればspot_has_text[last_spot]を真、spot_tailを"text"にし、無ければspot_has_text[last_spot]を偽にしてspot_tailの値を消す。後ろの字の前に区切りは出さない。
消去として数えるのは、tag_at が名前 c を引数なしで返す単位だけである。引数のある \c[char,…]・\c[line,…]・\c[]、\x、\C は数えない。raw_script のテキストと choice の表示の文字は読まない。DSL の台詞の行に書いた \c は、テキストが \c だけの sakura_script になるため、clear と同じ状態の更新だけが起きる。
表の「上記以外」のトークン(空の talk・字の無い talk・字を表示しない sakura_script を含む。いずれも \c の無いもの)は出力するだけで、判定の状態を変えない。そのため、字の無い talk だけを出したスポットは字を出したスポットにならず、保留中の改行はその後の字を出すトークンの直前まで持ち越される(次の切り替えか列の終わりまでに字を出すトークンが無ければ捨てられる)。復旧タグは内側のトークンの経路を通らないため、段落区切りの判定に影響しない。Call の失敗表記は raw_script(字を出すトークンではない)のため判定の状態を変えず、保留中の段落区切りの改行は失敗表記の前ではなく、その後の字を出すトークンの直前に出る。
字の定義
字を出すかの判定(局所関数 emits_text)は、talk_to_script に渡す前のトークンのテキスト(ウェイトや budoux の改行を加える前の、トークンに書かれたテキスト)に対して行う。text が nil のトークンは字を出さない。文字列でない値は tostring した文字列で判定する。テキストを単位(タグ・エスケープ・囲み)に分ける読み方は APPEARANCE.tag_at を使う(アピアランスの観測と復旧)。
talk は、テキストを左から読み、次のどれかが 1 つでもあれば字を出す(局所関数 has_text)。
\以外の文字。空白(半角空白・全角空白・タブ)も特別扱いせず、字として数える。タグの名前の直後に続く文字(\nHelloのHello、\w9OKのOK)もこれに当たる。- エスケープ
\\・\%。 - 単位にならない
\(\あの\、テキスト末尾の\など)。後ろの文字とともに字として数える。 - 文字を表示するタグ
\_u・\_m・\&(名前で判定する。いずれも文字を 1 つ表示するタグである)。 - 中身が空でない囲み(
\_?…\_?・\_!…\_!)。中身がそのまま表示されるためである。
これ以外の単位は取り除いて数えない。文字を表示するタグ以外のタグ(\s[1000]・\![bind,腕,組み,1]・\_w[500]・\n・\n[150]・\1 など)、引数の文字列をバルーンに表示するタグ(選択肢の \q[表示,…] など)、中身が空の囲み(\_?\_?)、閉じの無い \_?(ただのタグ)がこれに当たる。テキストが空でなくても、これらの単位だけからなる talk は字の無い talk である。単語参照の値は talk のトークンになるため、タグだけを返す単語の行(@通常 の値が \s[1000] だけ、など)は字を出さない。ただし同じアクターの talk が続けば merge_consecutive_talks で 1 つの talk に結合され、結合後のテキスト全体で判定する。
sakura_script は、テキストの中の \ の位置から読んだ単位のうち、文字を表示するタグか中身が空でない囲みが 1 つでもあれば字を出す(局所関数 script_shows_text)。タグ以外の文字・エスケープ・単位にならない \ は数えない。\s[5] だけの sakura_script は字を出さない。
talk・sakura_script 以外の種類のトークン(surface・wait・newline・choice・choice_timeout・raw_script)は字を出さない。
内側のトークンは、種類ごとの出力の文字列を STYLE.through(style, アクター, last_spot, 文字列) に通してから出力し(装いの出し入れ)、出力した文字列を APPEARANCE.observe(appearance, アクター, last_spot, 文字列) に渡す。内側の raw_script と最上位の raw_script は、アクター未指定(nil)として観測させる。
列の終わりでは、出していない段落区切りの改行を捨て、\e を付けてバッファを 1 本の文字列にする。
さくらスクリプトの後処理
talk_to_script(actor, talk, column) は、talk が nil か空文字列なら空文字列を返す(column は書き換えない)。それ以外は次の順に処理する。
-
ウェイト値の決定:
actorが表なら、その直下のscript_wait_normal・script_wait_period・script_wait_comma・script_wait_strong・script_wait_leaderを整数として読み、読めないキーは登録時の既定値([talk]の値、無ければTalkConfigの既定値)を使う。表でなければ既定値だけを使う。 -
トークナイザ: 文字列を先頭から走査する。
\の位置でSAKURA_TAG_PATTERNに一致すれば、その一致を 1 つの単位としてTokenKind::SakuraScriptのトークンにし、そうでなければ 1 文字をCharSets::classifyで分類する。ここの「1 文字」は拡張書記素クラスタ(見た目の 1 文字。🙆♀️のような組み合わせの絵文字や結合文字の付いた文字、ガのような半角カナと半角の濁点の並びを含む)で、tokenizer.rsのnext_clusterが切り出す。next_clusterは、クラスタの 2 つ目以降のコードポイントに\があればその手前で切り、単位の\をクラスタに含めない。classify(&str)は、クラスタの全体で優先順に全種類の集合を引き、どれにも当たらなければ先頭のコードポイントで同じ順に引く。2 つ目以降のコードポイントでは引かない。集合(CharSetsの各フィールド、HashSet<String>)は、chars_*の文字列をクラスタに分けた項目と、各コードポイントの項目の和である。分類の優先順は句点・読点・強調・リーダー・行頭禁則・行末禁則で、どれにも当たらなければ一般の文字である。SAKURA_TAG_PATTERNは次の 3 つの選択肢を持ち、左の選択肢を優先する。- 囲み:
\_?から次の\_?まで(最短一致)と、\_!から次の\_!まで。(?s)を付けてあるため、途中に改行文字があっても読みは変わらない。 - エスケープ:
\\と\%。 - タグ:
\に続けて、s・p・bと数字 1 桁(0〜9)、wと数字 1 桁(1〜9)、または_0〜2 個と名前の 1 文字([0-9A-Za-z!+*?&-])。最後の形だけが、直後の[から始まる引数を取れる。引数は,で区切った並びで、引数の中では\と続く 1 文字を組として読み、引数の先頭の"から次の"まで(中の""は 1 文字)を引用として読む。エスケープも引用もされていない]で閉じ、閉じなければ名前までがタグになる。
名前の後ろの文字は一致に入らず、通常の文字として分類する(
\nHelloは\nとHello、\n!?は\nと強調の!?)。エスケープはタグより先の選択肢のため、C:\\newは\\とnewの文字になり、\nのタグにはならない。どの選択肢にも一致しない\(\あの\、末尾の\)は 1 文字として分類する。ウェイト挿入(wait_inserter.rsのappend_with_wait)は、テキストがちょうど\のトークンの直後にウェイトを入れない(入れると\\のエスケープになるため)。囲みは、1 回のtalk_to_scriptに渡したテキストの中でだけ読まれる。単位はすべてTokenKind::SakuraScriptであるため、ウェイトは付かず、budoux 改行の幅にも数えない。 - 囲み:
-
ウェイト挿入(
insert_waits): 単位(タグ・エスケープ・囲み)と行末禁則の文字はそのまま出力する。一般の文字とリーダーはトークン(クラスタ)1 つごとに\_w[値 - 50]を 1 つ後ろに付ける(append_with_wait)。クラスタの途中には付けない。句点・読点・強調・行頭禁則は連続する並びとしてためておき、並びが途切れたところで、並びの中の最大値から 50 を引いたウェイトを 1 つだけ付ける(行頭禁則の文字は自分の値を持たず、並びを延ばすだけである)。計算したウェイトが 0 以下なら付けない。 -
改行の規則の読み取り(
read_actor_break):actorが表で、budouxが表なら整数の配列として読む。それが空でないときだけ、budoux_newlines(数値。nilなら無し)とbudoux_jump(表なら整数の配列、表でなければ空)を読む。budoux_newlinesから改行の文字列を作る(newline_for_ratio。100 倍して切り捨てたNが 100 か、値が無ければ\n、それ以外は\n[N])。 -
budoux 改行:
budouxが空でない配列か、columnが表なら、ウェイト挿入後の文字列にbreak_lines_implを適用する。columnが表ならそのline・width・jumpを始めの状態として読み(無いフィールドは 1・0・偽)、無ければ新しい状態(Column::default())から数える。適用が終わった後にだけ、終わりの状態をcolumnに書き戻す。どちらでもなければ、ウェイト挿入後の文字列をそのまま返す。
break_lines_impl(文字列, 改行の規則, 行の状態, タグの正規表現, パーサ) は、改行の規則 BreakRule(widths・jump_widths・newline)に従って改行を入れ、行の状態 Column(line・width・jump)をその場で書き換える。
- タグの正規表現(
talk_to_script・break_linesからはトークナイザのSAKURA_TAG_PATTERN。一致した単位は、タグ・エスケープ・囲みのどれでもタグとして扱う)で文字列を「先頭のタグ列」と「本文の文字と、その直後に続くタグ列の組」の並びに分ける。本文の文字は、トークナイザと同じnext_clusterで切り出したクラスタである。幅は局所関数cluster_widthで数える。1 コードポイントのクラスタはその文字の東アジアの幅(UnicodeWidthChar::width_cjk)、\r\nは 0、それ以外は文字列の東アジアの幅(UnicodeWidthStr::width_cjk。🙆♀️は 2)である。分けるときに、単位ごとに行の動き(ColumnMove)を見分けて記録する。\nちょうどと\n[で始まる単位はNext(次の行)、\cちょうどの単位はFirst(最初の行)、\_l[で始まる単位はJump(飛ぶ)で、ほかの単位は行を動かさない。囲みとエスケープは単位の先頭が違うため、中に\nなどがあっても動かない。 - 先頭のタグ列の動きを順に当てる。
Nextはlineに 1 を足し、Firstはlineを 1・jumpを偽にし、Jumpはjump_widthsが空でなければlineを 1・jumpを真にする(空ならline・jumpを変えない)。どの動きもwidthを 0 にする。 widthsが空か本文の文字が無ければ、本文の文字の幅をwidthに足しながら各文字の後ろの動きを当てるだけで、入力をそのまま返す(budouxの無いアクターでも行の状態は進む)。- 本文の文字だけをつないだ文字列を budoux で語に分ける。budoux の区切りのうち、文字の先頭に当たるものだけを語の境界にし、文字の途中の区切りは捨てて前後を 1 語にする(クラスタの途中では改行しない)。語を、後ろに行の動きがある文字の所で「かけら」に割る。語の頭のかけらは、
widthが 0 でなく、かけらの幅(局所関数cluster_widthの和。全角は 2)を足すと今の行の上限を超えるときに、その前を改行位置にしてNextを当てる。かけらの幅をwidthに足し、かけらの最後の文字の後ろの動きを順に当てる。タグの後ろのかけらは行の頭なので、幅を足すだけである。1 語だけで上限を超える場合は改行しない。 - 今の行の上限は、
jumpが真でjump_widthsが空でなければjump_widths、それ以外はwidthsのline番目の値で、配列の最後の値がそれ以降の行に使われる。 - 改行位置の直前の文字が、後ろに単位の無い単独の
\なら、改行位置をその\の前へ移し(\は新しい行に数え直す)、\が行の頭にあるなら改行しない(\の直後に改行を入れると\\に読まれるため)。 - 先頭のタグ列を出力し、各文字の前に必要なら
newlineを、各文字の後ろにその文字に続いていたタグ列を出力して組み立て直す。タグは幅に数えず、途中に改行が入ることもなく、元の相対位置に残る。
break_lines(text, widths) は同じ break_lines_impl を、ウェイト挿入なし・新しい行の状態・newline が \n・jump_widths が空で呼ぶ関数で(break_fresh)、組立の経路からは使われない(利用者が scripts/ から呼ぶための関数である)。
アピアランスの観測と復旧
外見状態は actors・spots・owners・last_spots を持つ表である。SHIORI 用の ACT では crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/store.lua が同じ形の表を STORE.appearance として作り(初期化時と reset 時)、ビルドをまたいで保持する(永続化の対象ではない)。APPEARANCE.new は BUILDER.build に nil が渡されたときのビルド内の状態を作る。
| フィールド | 中身 |
|---|---|
actors[アクター名] | アクターが自分の発話で出力した外見の記録。surface(ID の文字列)、binds(カテゴリ → パーツ → 0・1。カテゴリが不明なら false)、order(カテゴリ → パーツを記録した順の配列) |
spots[スポット] | スポットに表示中と推定される外見。surface と、binds(カテゴリ → パーツ → 0・1・不明の false。パーツ名 "" はカテゴリ全体の値) |
owners[スポット] | そのスポットで直前に切り替えの出力をしたアクター名 |
last_spots[アクター名] | そのアクターが直前に切り替えの出力をしたスポット |
detached | スコープ切替タグを観測してから次の restore までの間だけ真 |
APPEARANCE.observe(state, actor, spot, text) は、後処理済みの出力文字列を読むだけで書き換えない。text を左から走査して単位を読み、タグを拾う。
単位の読み取りは局所関数 tag_at が行い、APPEARANCE.tag_at として公開している(ビルダーの字の判定・\c の読み取りと適合テストが使う)。tag_at(s, i) は位置 i の \ から始まる単位を読み、名前(\ を除く。数字付きの形は s3 のように数字を含み、囲みは _?・_!)、引数(角括弧の中身。無ければ nil)、単位の直後の位置、囲みの中身(囲みのときだけ)を返す。エスケープと単位にならない \ は名前を nil で返し、直後の位置はそれぞれ 2 文字後と 1 文字後になる。読み方は Rust の SAKURA_TAG_PATTERN と同じ規則の写しで(さくらスクリプトの後処理)、左から 1 回読むだけで後戻りしない。モジュールが @pasta_* を require しない方針のため、Rust の正規表現を呼ばずに Lua で同じ規則を持つ。
観測は名前を持たない単位を読み飛ばすため、エスケープはタグとして読まれず、エスケープの後ろの文字もタグの一部にならない(\\s[5]・\%s[5] はサーフェス変更ではない)。囲みは名前 _?・_! の 1 つの単位として読み飛ばし、中のタグを観測しない。拾ったタグは、読み取った名前との正確な一致で次の 3 種類に分類し、それ以外は無視する。
- サーフェス変更:
\s[ID]と\sN(N は 1 桁の数字)。空の ID は無視する。 - スコープ切替:
\0・\1・\h・\u、\p[N]、\pN。 - 着せ替え:
\![bind,…]と\![bind-noevent,…]。引数は,の単純な分割で「カテゴリ・パーツ・値」として読み、"か\を含む引数とカテゴリ名が空の引数は解釈できないものとする。
actor が nil(アクター未指定の生さくらスクリプト)か detached が真のときは、分類に当たるタグが 1 つでもあれば spots を空にする(全スポットを不明にする)だけで、アクターの記録は変えない。それ以外では、サーフェス変更をアクターとスポットの両方の surface に出現順で上書きし、着せ替えをアクターとスポットの binds に記録し、スコープ切替に当たった時点で spots を空にして detached を真にし、残りを読まない。DSL ではタグごとに別のトークンになるため、detached は同じビルドの後続の観測も止める。着せ替えの値のうちトグル・カテゴリ単位の指定・0・1 以外の値をどう記録するか(不明とするか)は、記録できない指定 の規則をこのモジュールの局所関数(bind_value・record_bind・reset_category・spot_after_wear)が実装している。
APPEARANCE.restore(state, actor, spot, tokens) は、アクターの切り替えのたびに \p[spot] の直後へ出力するタグ列を返す。
detachedを解除する(\p[spot]の出力でスコープ切替の影響は終わる)。owners[spot]が自分で、かつlast_spots[自分]がspotなら、同じアクターの継続として空文字列を返す。いずれにせよowners[spot]を自分にする。アクターに名前が無いときも空文字列を返す。last_spots[自分]をspotにし、グループの内側のトークンから先頭のタグ列(最初の\以外の文字・エスケープ・単位にならない\・中身が空でない囲み・スコープ切替タグ・raw_scriptまで)にあるサーフェス変更と着せ替えを集める(leading_tags)。talkのテキストも走査するのは、@単語の参照が\s[ID]に展開されてtalkに結合されるためである。- サーフェスの復旧(
restore_surface): アクターの記録のsurface、無ければ pasta.toml のsurface(数値か空でない文字列のときだけ)を既知のサーフェスとする。既知のサーフェスがあり、スポットのsurfaceと異なり、先頭のタグ列にサーフェス変更が無いときだけ\s[ID]を返し、スポットのsurfaceを更新する。 - 着せ替えの復旧(
restore_dressup): pasta.toml のdressupのカテゴリとアクターの記録のカテゴリの和集合をバイト順に並べ、カテゴリごとに既知の着せ替えを求める。全脱衣を記録していれば全脱衣 → 記録したパーツ(記録した順)、そうでなければ既定のパーツ(パーツ名順・記録で上書きされたものを除く)→ 記録したパーツ(記録した順)である。アクター側でカテゴリが不明なら空になり、そのカテゴリは復旧しない。スポットの実効値と 1 つでも食い違う(または全脱衣したアクターでスポット側に他のパーツが残る)カテゴリだけを、\![bind-noevent,カテゴリ,パーツ,値]の並びで丸ごと返し、スポットのbindsを観測と同じ規則で更新する。先頭のタグ列でパーツと値を明示した bind があれば、そのパーツは出力しない。
サーフェスの復旧タグが先、着せ替えの復旧タグが後に並ぶ。restore が更新するのはスポット側と owners・last_spots だけで、アクターの記録は変えない。
装いの出し入れ
アクターの装いは、そのアクターの表の font が空でない文字列のときだけ有効である。font は pasta.dll の読み込みで、pasta.toml に書いた表から検査済みのタグ列(font = { color = "90,110,140", bold = true } なら \f[color,90,110,140]\f[bold,1])に置き換えてある(ローダ自己展開とモジュール解決)。font の無いアクター、空の表を書いたアクター(タグ列が空文字列になる)、act:actor_proxy が作るその場限りのアクターは、装いの無いアクターである。pasta.shiori.actor_style は 12 個の属性も値の変換も知らず、出来上がったタグ列をいつ出すかだけを決める。
BUILDER.build は呼び出しのたびに STYLE.new() で装いの状態を作り、ビルドの終わりで捨てる。STORE には置かない。SSP 2.9.18 は次のスクリプトで装いを既定の表示に戻すため、装いはビルドをまたがない。
| フィールド | 中身 |
|---|---|
used[スポット] | このビルドで切り替えにそのスポットを使い、\c で消していないか |
styled[スポット] | このビルドでそのスポットに装いのタグを出し、\c で消していないか |
any | このビルドで装いのあるアクターが切り替えに現れたか |
スポットの状態は used と styled の組で 3 つに分かれる。Fresh(このビルドで未使用、または \c の後)、UsedPlain(使ったが装いを付けていない)、Styled(装いを付けた)である。STYLE.switch(state, actor, spot) は、切り替え先のスポットの状態とアクターの装いの有無で、次の表のタグを返す。
| 切り替え先のスポットの状態 | 装いのあるアクターへ | 装いの無いアクターへ |
|---|---|---|
| Fresh | 装いのタグだけ | 空文字列 |
| UsedPlain | \f[default] + 装いのタグ | 空文字列 |
| Styled | \f[default] + 装いのタグ | \f[default] |
返した後、used[spot] を真にし、装いのあるアクターなら styled[spot] と any も真にする。UsedPlain で装いのあるアクターへ替わるときに \f[default] を出すのは、前の話者が台詞に書いた \f[…] を切り替え先の装いに持ち越さないためである。切り替えは last_actor と別のアクターのときだけ起きるので、同じアクターが話し続ける間は何も出さない。状態をスポットごとに持つのは、SSP 2.9.18 がスコープごとに装いを保ち、別のスコープへ移っても装いが移らないためである。そのため別のスポットへ移るときに戻すタグは出さない。
STYLE.through(state, actor, spot, s) は、内側のトークンの種類ごとの出力の文字列(talk・sakura_script なら後処理済みの文字列)を受け取り、次のように返す。最上位の raw_script は通さない。
anyが偽か、グループのアクターがnilならsをそのまま返す。sをAPPEARANCE.tag_atで左から読み、引数の無い\cと\xを探す。エスケープと囲みの中はタグとして読まない。引数のある\c[…]・\x[noclear]などは数えない。- 装いのあるアクターなら、見つけた
\c・\xの直後に装いのタグを差し込む。状態は Styled のままにする。\xを見つけたときは、その後の字がスコープ 0 に出ることがあるため、used[0]・styled[0]も真にする。 - 装いの無いアクターなら、文字列は変えず、
\cを見つけたときにそのスポットのused・styledを偽にする(Fresh に戻す)。\xでは状態を変えない。 - 返す文字列は、
sの文字を消さず並べ替えず、タグを差し込んだだけのものである。
SSP 2.9.18 は、引数の無い \c の後の字を既定の表示で出す(装いが外れる)。装いの無いアクターの \c で Fresh に戻すのはこのためである。\x も全スコープの吹き出しを消してスコープを \0 に戻し、その後の字を既定の表示で出す。そのため、装いのあるアクターでは \x の直後に必ず出し直し、スポット 0 も装い付きとみなす。clear トークンも種類ごとの出力が \c なので、同じ規則で扱われる。clear_spot トークンでは装いの状態を戻さない(吹き出しは消えないため)。
装いのタグと、字の判定・改行・立ち絵の復旧との順序は次のとおりである。
- 切り替えの出力は
\p[スポット]→ 立ち絵の復旧タグ → 戻すタグと装いのタグの順に並ぶ。段落区切りの改行(\n[N])は、その後の字を出すトークンの直前に出るので、必ず装いのタグより後になる。 - 字の判定(
emits_text・text_parts)と\cの読み取りは、STYLE.throughに通す前の変換前のテキストに対して済んでいる。差し込んだ装いのタグは字に数えず、段落区切りと選択肢の前後の行の区切りの判定を変えない。 - 復旧タグは
APPEARANCE.restoreが先に返し、装いのタグはその後にSTYLE.switchが返す。復旧の判定(先頭のタグ列)はグループの内側のトークンを読むので、装いのタグの影響を受けない。 - 片を
putとput_rawのどちらで足すか(head_written_by_author)は、STYLE.throughに通す前の文字列で決める。話者の切り替えの装いのタグはputを通るので、前の出力の単独の\に食われない。 STYLE.throughで差し込んだタグは、APPEARANCE.observeにもそのまま渡る。\fは観測の分類に当たらないため、外見の記録は変わらない。
境界の受け渡し
| 境界 | 経路 | 渡すもの | 所有 |
|---|---|---|---|
| シーン関数 → ACT | ACT のメソッド | トークンの表 | act.token が所有し、build で取り出して空にする |
pasta.act → pasta.shiori.act | ACT_IMPL.build の戻り値 | グループ化トークンの列(0 件なら nil) | 呼び出し側が受け取り、BUILDER.build に渡す |
pasta.shiori.act → sakura_builder | BUILDER.build の引数 | グループ化トークン、{ spot_newlines, choice_newlines, after_choice_newlines }、STORE.actor_spots、STORE.appearance | actor_spots と appearance は STORE が所有し、ビルダーがその場で書き換える |
sakura_builder → Rust | @pasta_sakura_script の talk_to_script | アクターの表(またはそれ以外の値)、テキスト、スポットの行の状態の表 → 後処理済みの文字列 | Rust はアクターの表を呼び出しのたびに読むだけで、保持も変更もしない。行の状態の表は組立が所有し、Rust は変換が成功した後にだけ line・width・jump を書き換える |
| Rust の内部 | register が作るクロージャ | SakuraScriptState(トークナイザ・既定のウェイト値・budoux のパーサ) | Arc でクロージャが所有する。VM を作るたびに register が TalkConfig から作り直す |
sakura_builder → appearance | APPEARANCE.observe・APPEARANCE.restore | 外見状態の表、アクター、スポット、出力した文字列またはグループの内側のトークン | 状態の表は呼び出し側の所有で、appearance はその場で書き換える。文字列とトークンは読むだけ |
ローダ → sakura_builder | アクターの表の font(@pasta_config の actor."名前".font) | 検査済みのタグ列(文字列) | 読み込みで作られ、ビルダーと actor_style は読むだけ |
sakura_builder → actor_style | STYLE.new・STYLE.switch・STYLE.through | 装いの状態の表、アクター、スポット、変換後の文字列 → 戻すタグと装いのタグ、または出し直しを差し込んだ文字列 | 状態の表は BUILDER.build が呼び出しごとに作って所有し、actor_style はその場で書き換える。文字列は読むだけで、新しい文字列を返す |
actor_style → appearance | APPEARANCE.tag_at | 変換後の文字列と位置 → 単位の名前・引数・直後の位置 | 状態を持たない読み取りで、文字列は読むだけ |
sakura_builder → appearance | APPEARANCE.tag_at | 変換前のトークンのテキストと位置 → 単位の名前・引数・直後の位置・囲みの中身 | 状態を持たない読み取りで、テキストは読むだけ |
pasta.shiori.act → 呼び出し側 | build の戻り値 | さくらスクリプト文字列 | act:yield() などが coroutine.yield で渡す(ランタイム実行モデル) |
不変条件と制約
- 後処理(ウェイト挿入と budoux 改行)は、
talk・sakura_scriptのトークンごとに組立の途中で適用される。組み立て終わった文字列に後から適用する処理は無い。 - 後処理は入力の文字とタグを並べ替えず、
\_w[…]と改行(\nまたは\n[N])を挿入するだけである。タグの文字列はそのまま残る。 - 後処理の設定は 2 か所から来る。文字の集合とウェイトの既定値は
registerの時点のTalkConfigで固定され、トークナイザの正規表現も登録時に 1 度だけコンパイルされる。アクター別のウェイト値と改行の規則(budoux・budoux_newlines・budoux_jump)はtalk_to_scriptの呼び出しのたびにアクターの表から読む。 - budoux の行の状態は、組立が 1 回のビルドの中でスポットごとに持ち(
columns)、talk_to_scriptの 3 つ目の引数で渡す。1 回の呼び出しの中では、テキストの中の行を動かす単位(\n・\n[…]・引数の無い\c・\_l[…])で数え直す。作者が書いたタグも、単語や関数が返してtalkに結合されたタグも、sakura_scriptのテキストの中のタグも同じに読む。呼び出しの間では、組立が出す区切り(put_break)が 1 行、newlineがn行進め、clearが最初の行に戻し、clear_spotが全スポットの状態を捨てる。表情・ウェイト・choice_timeout・raw_script・choiceは状態を変えない(raw_scriptのテキストの中の\cと、選択肢の表示の文字は数えない)。そのため、sakura_scriptや表情で区切られたtalkも、同じスポットでは前のtalkの終わりの行と字数を引き継ぐ。状態はビルドをまたがない。 budouxの無いアクターのtalk・sakura_scriptも、行の状態を進める(改行は入れない)。同じスポットで相手役が\n・\cを書いたときに、行の番号がずれないためである。- 組立の 2 つの動き(
next_column・first_column)は、Rust のColumnMove::Next・ColumnMove::Firstの写しである。片方だけを直さない。同じ動きになることはsakura_builder_test.luaで確かめる。 - 代わりのレンダラ(presentation マーカーとレンダラ注入)が 3 つ目の引数を使わなければ、台詞の中の字数は数えられず、行の状態は組立の区切りの分だけ進む。出力は壊れない。
- SSP が自分で折り返した分(1 語で上限を超えた行、
budouxの無いアクターの台詞)は行の状態に入らないため、実際の行とずれうる。 - 単位(タグ・エスケープ・囲み)はどれも budoux 改行の幅に数えない。エスケープと中身のある囲みはバルーンに字を表示するが、ほかのタグと同じく幅 0 として扱われる。そのため囲みが長いと、その行は幅の上限を超えることがある。
budouxの配列に整数にできない要素があるとtalk_to_scriptは Lua のエラーになる。budouxが空でない配列のときは、数値にできないbudoux_newlinesと、整数にできない要素のあるbudoux_jumpも同じくエラーになる。ウェイトのキーは読めなければ既定値になる。- 出力の先頭と
clear_spotの後で、発言より前に積んだsurface・wait・newline・clear・choice・choice_timeoutは、アクター未指定として、積んだ位置に積んだ順で出力される。スコープ切替タグを伴わないため、その時点のスコープに効く。last_spotがnilの間に出したchoiceは、スポット 0 のバルーンに出したものとしてspot_tailに記録する。内側の出力にサーフェス変更などの分類に当たるタグがあれば全スポットが不明になり(アピアランスの観測と復旧)、次の発言者の切り替えで復旧タグが出ることがある。 clear_spotは現在のグループを閉じる。そのためclear_spotの後の発言は、前のグループと同じアクターでも新しいグループに入り、clear_spotで組立の状態をリセットした後の切り替えの出力(\p[N])の後に出力される。spotはグループを閉じない。同じアクターの発言がspotの前後にあると、後の発言も前のグループに入り、spotの処理はそのグループの出力の後になる。それでも出力は変わらない。spotをまたいで同じグループに入るのは切り替えを伴わない同じ発言者の発言だけであり、spotが記録した立ち位置は次に発言者が切り替わるときに初めて使われるためである。- 組立の状態のうち、
actor_spotsと外見状態はビルドをまたいでSTOREに残り、last_actor・spot_has_text・pending_break・spot_tail・columnsはビルドごとに作り直す。そのため段落区切りの改行と選択肢の前後の行の区切りと budoux の行の状態は 1 回の出力の中だけで判定され、外見の復旧はトークをまたいで判定される。 clear_spotはactor_spotsを表ごと差し替えず、エントリを 1 つずつ消す。STORE.actor_spotsと同じ表を指し続けるためである。外見状態はclear_spotでは消さない。- アピアランスは pasta 自身が出力した文字列だけを観測する。ベースウェア側だけで起きた外見の変化は状態に入らない。
- さくらスクリプトの単位の読み方の定義は 4 か所にある。Rust の
Tokenizer::SAKURA_TAG_PATTERN(crates/pasta_lua/src/sakura_script/tokenizer.rs)が正で、Lua のtag_at(crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/appearance.lua)、DSL の文法のsakura_script・sakura_escapeの規則(crates/pasta_dsl/src/parser/grammar.pest)、VS Code 拡張の文法定義のinline-sakura-script・inline-escape(editors/vscode/syntaxes/pasta.tmLanguage.json)がその写しである。正の正規表現は、後戻りの有無で一致が変わらない形にしてあるため、左から 1 回読むだけの写し(Lua・pest)と結果が一致する。 - Rust・Lua・DSL の 3 つの読み取りは、適合テスト
crates/pasta_lua/tests/sakura_script/conformance_test.rsの 1 つの事例の表(入力と期待する単位の並び)で、同じ位置で単位を切り出すことを確かめる。DSL だけが異なるのは、単位にならない\をパースエラーにすることである。また DSL は引数・引用・囲みを 1 行の中だけで読む。VS Code 拡張の文法定義は色分けだけに使われ、適合テストの対象ではない(editors/vscode/src/test/tmGrammar.test.tsで確かめる)。読み方を変えるときは 4 か所を同じ変更でそろえる。 - 囲みはトークンをまたがない。後処理は 1 回の
talk_to_scriptに渡したテキスト(結合後のtalk、または 1 つのsakura_script)の中でだけ囲みを読み、字の判定と外見の観測もトークン(観測は出力した文字列)ごとに読むため、囲みの読み取りはトークンをまたぐ状態を持たない(トークンをまたいで持ち越すのは budoux の行の状態だけである)。開きと閉じを別々のトークンで積むと、それぞれが閉じの無い\_?(\_!)として、ただのタグに読まれる。 - 字の判定と
\cの読み取りは変換前のテキストに対して行い、外見の観測は後処理済みの出力文字列に対して行う。後処理が挿入する\_w[…]・改行は字の判定に入らない。 - 装いの状態はビルドごとに作り直し、ビルドをまたがない。装いのあるアクターが切り替えに現れないビルドでは、
STYLE.switchは空文字列を、STYLE.throughは入力をそのまま返すため、出力は装いの仕組みが無いときと 1 文字も変わらない。 - 装いの出し入れが追うのは、組立が出す
\p[N]と、グループの内側の引数の無い\c・\xだけである。台詞の中に書いたスコープの切り替え(\p[1]・\1など)と、最上位のraw_scriptの中の\f・\cは追わない。最上位のraw_scriptの直後には必ず話者の切り替えが起きるため、装いのあるアクターの表示は切り替えで決まる。
ソースの所在
crates/pasta_lua/src/sakura_script/crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/sakura_builder.luacrates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/appearance.luacrates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/actor_style.luacrates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/shiori/act.lua
本文で参照したその他のファイルは次のとおりである。トークンの蓄積とグループ化は crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/act.lua、アクタープロキシは crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/actor.lua、STORE.actor_spots・STORE.appearance は crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/store.lua、文字列バッファは crates/pasta_lua/pasta_scripts/pasta/buf.lua、TalkConfig は crates/pasta_lua/src/loader/config/sections.rs にある。振る舞いのテストは crates/pasta_lua/tests/lua_specs/sakura_builder_test.lua(組立と字の判定)と crates/pasta_lua/tests/lua_specs/appearance_test.lua(外見の観測と復旧)、crates/pasta_lua/tests/lua_specs/actor_style_test.lua(装いの状態表と \c・\x の後の出し直し)にある。単位の読み方の写しは crates/pasta_dsl/src/parser/grammar.pest と editors/vscode/syntaxes/pasta.tmLanguage.json にあり、3 つの読み取りの適合テストは crates/pasta_lua/tests/sakura_script/conformance_test.rs にある。
経緯
- alpha03-shiori-act-sakura —
pasta.shiori.actによるさくらスクリプトの組立 - actor-talk-grouping — アクターの切り替わりでのグループ化と連続する発言の結合
- actor-spot-refactoring・persist-spot-position —
spot・clear_spotトークンとスポットの保持 - sakura-script-newline — 段落区切りの改行の遅延判定
- refine-talk-conversion・act-sakura-script-method —
talk・sakura_scriptをtalk_to_scriptで変換する経路 - sakura-script-wait — トークナイザとウェイト挿入
- sakura-script-dash-tag-fix — タグ名の文字集合
- budoux-line-breaker — budoux 改行
- actor-surface-restore — 外見の観測と復旧
- sakura-builder-string-buffer — 組立の文字列バッファ
- paragraph-break-tag-only-talk — 字を出すトークンによる段落区切りの判定と、単位(タグ・エスケープ・囲み)の読み方を SSP にそろえる変更、3 つの読み取りの適合テスト
- choice-line-layout — 選択肢を 1 行に 1 つずつ出す改行の配置と
choice_newlines、台詞に書いた\cを吹き出しの消去に数える変更 - vertical-balloon-lines — 列を動かすタグでの budoux の数え直しと、1 回の出力の中の吹き出しごとの列の持ち越し(
put_break)、budoux_newlines・budoux_jump・after_choice_newlines、単独の\の守り - actor-display-style — アクターごとの装い(
font)の出し入れと、1 つのスポットを複数のアクターで共有する出力
台詞ひとつにも、これだけの仕立てが施されておりますのよ。……少しは、見直しまして?
はい、針子のお二人のことは、すっかり見直しました。
……わたくしは、数に入っておりませんの?