前提環境と準備
道具をそろえる時間ですわ。腕のいい職人ほど、いきなり手を動かさず、まず道具を整えるもの。少々退屈に思えるかもしれませんけれど、ここを丁寧にやっておけば、あとがずっと楽になりますのよ。
このページでは、ゴースト作りを始める前にそろえておくものと、最初につまずきやすい文字コードの注意を説明する。
動作環境
pasta ゴーストは、ベースウェアと呼ばれるソフトの上で動く。ベースウェアはゴーストを画面に表示し、会話を進行させる土台となるプログラムである。
| 項目 | 推奨 | 備考 |
|---|---|---|
| OS | Windows | 本マニュアルは Windows を対象とする |
| ベースウェア | SSP(推奨) | 最も広く使われている伺か互換ベースウェア |
| その他のベースウェア | 概ね動作 | 他の伺か互換ベースウェアでも概ね動作する |
用語: 「ベースウェア」はゴーストを動かす本体ソフト。ゴースト単体では動かず、必ずベースウェアの上にインストールして使う。SSP(Sakura Script Player)はその代表格である。
本ガイドの手順や画面例は SSP を前提に記述する。SSP は伺か関連サイトから入手できる。インストールと初期設定は SSP の案内に従うこと。
必要なもの
ゴーストを作るために、次のものを用意する。
- テキストエディタ
.pastaファイルやプレーンテキストの設定ファイルを編集する。UTF-8 で保存できるエディタであれば何でもよい(Visual Studio Code、メモ帳など)。 - pasta の SHIORI(
pasta.dll)と Lua ランタイム ゴーストの「頭脳」にあたる部分である。これは自分で書くものではなく、pasta が提供する実行ファイルを配置して使う。本ガイドでは、入手済みのpasta.dll一式を後の手順で配置する。
用語: 「SHIORI(しおり)」とは、ベースウェアからの問い合わせ(「起動したよ」「クリックされたよ」など)を受け取り、ゴーストの返事を組み立てるモジュールのこと。pasta では
pasta.dllがこの役割を担い、.pasta辞書に書いた会話を解釈して返す。
pasta.dll と Lua ランタイムは、公式のサンプルゴースト hello-pasta の配布物に含まれている。最も手軽なのは、起動可能な状態に組み上げられた hello-pasta を入手し、それを下敷きに自分の辞書を書き換えていく方法である。配布物の入手やビルド手順は pasta_sample_ghost の README を参照すること。
文字コードは必ず UTF-8
pasta の辞書ファイル(.pasta)と設定ファイルは、必ず UTF-8 で作成・保存する。これは最も重要な約束事である。
- 辞書本文には日本語を多用する。文字コードを誤ると、起動時に文字化けしたり、辞書が読み込めずゴーストが動かなくなる。
- 設定ファイル(
descript.txtなど)の先頭にもcharset,UTF-8を明記し、中身も UTF-8 で保存する。
用語: 「文字コード」とは、文字をコンピュータ上の数値に対応づける方式のこと。同じ「あ」でも方式が違えば別の数値になり、食い違うと文字化けする。UTF-8 は世界中の文字を扱える現代の標準的な方式である。
Shift_JIS の辞書から移行するときの注意
旧来の伺か辞書(里々や YAYA など)は、Shift_JIS という古い文字コードで書かれていることが多い。これらを pasta へ持ち込むときは、次の点に注意する。
- pasta の辞書は UTF-8 で書く前提である。Shift_JIS のまま
.pastaに貼り付けると文字化けする。 - 既存の Shift_JIS テキストを再利用する場合は、エディタの「文字コードを指定して開く / 保存する」機能で UTF-8 に変換してから保存すること。
- 変換後は、機種依存文字や半角・全角の取り違えがないか、実際に表示して確認するとよい。
道具はそろいましたわね。文字コードの落とし穴さえ越えれば、あとは怖いものなどございませんわ。さあ、いよいよ最初のゴーストを組み上げにまいりましょう。熱く参りますわよ!