ゴーストの最小一式を置く
骨組みを組み上げる番ですわ。あなたのゴーストが住まう器を、これからこしらえますのよ。
お嬢様、器だけでは、まだ口はきけないのでは。
ええ、それでよろしいの。器をすっかり整えるところまでが、この章の仕上がりですわ。
ゴーストのフォルダ構成
ゴーストは、決まった形のフォルダに住んでいますの。会話を司る「中身」と、画面に映る「見た目」が、別々の部屋に分かれていますわ。
my-ghost/
├── install.txt インストール情報
├── ghost/
│ └── master/
│ ├── descript.txt ゴーストの定義
│ ├── pasta.toml pasta の動作設定
│ ├── pasta.dll SHIORI の本体
│ ├── THIRD_PARTY_LICENSES.txt pasta.dll のライセンス表示
│ └── dic/ 辞書を置く場所(まだ空)
└── shell/
└── master/ 見た目(シェル)の一式
├── descript.txt シェルの定義
├── surfaces.txt サーフェス番号と画像の対応
└── surface0.png … 立ち絵の画像
| 置くもの | 役割 | 用意のしかた |
|---|---|---|
install.txt | このフォルダがゴーストであることと、インストール先を示す | この章で書く |
ghost/master/descript.txt | ゴーストの定義 | この章で書く |
ghost/master/pasta.toml | pasta の動作設定 | この章で書く |
ghost/master/pasta.dll | SHIORI の本体 | hello-pasta から写す |
ghost/master/THIRD_PARTY_LICENSES.txt | pasta.dll が含むソフトウェアのライセンス表示 | hello-pasta から写す |
shell/master/ | 画面に表示される見た目の一式 | hello-pasta からフォルダごと写す |
- 上の表の 6 つが、1 段目に入る前に置く最小一式である
my-ghostは例の名前である。フォルダの名前は、次の節で自分で決めるghost/master/— 会話と振る舞いを司る「中身」を置くshell/master/— 画面に表示される「見た目」を置くghost/master/dic/— 辞書(.pastaファイル)を置く場所。この章ではフォルダだけを作り、中は空のままにする- マスター(master) — ゴーストの標準的な中身・見た目を置く既定のフォルダ名。このガイドでは
masterの 1 つだけを扱う - シェル — ゴーストの見た目(画像一式)のこと。会話の中身(辞書)とは分かれて管理される
お嬢様、dic/ が空のままでございますが。
それでよろしいのよ。辞書は、次の章から 1 枚ずつ足していきますわ。
名前を決める
さて、最初のお仕事は名付けですわ。あなたのゴーストに、あなただけの名前をお付けなさいまし。
見本と同じ hello-pasta では、いけないのでございますか。
それは困りますの。このあと見本の hello-pasta を同じ SSP に入れますから、同じ名前では衝突してしまいますわ。
- ゴーストの名前は、自分で決める
- このガイドは、例の名前として
my-ghostを使う。この先の章に出てくるmy-ghostは、自分の決めた名前に読み替える hello-pastaという名前は使わない。配布版の hello-pasta と同じ SSP に入れると、名前が衝突する- 作者の名前(
craftman・craftmanw)も、配布版の値を写さずに自分のものにする
| 名前を書く場所 | 例 |
|---|---|
| ゴーストのフォルダの名前 | my-ghost |
install.txt の name | my-ghost |
install.txt の directory | my-ghost |
ghost/master/descript.txt の name | my-ghost |
決めた名前のフォルダを作り、その中に ghost/master/dic/ と shell/ のフォルダを作る。
install.txt を書く
まずは表札ですわ。install.txt に、ゴーストの名前と、住むフォルダの名前を書きますのよ。
ゴーストのフォルダの直下に install.txt を作り、次の内容を UTF-8 で保存する。
charset,UTF-8
type,ghost
name,my-ghost
directory,my-ghost
accept,
name— ゴーストの名前。my-ghostを自分の決めた名前に置き換えるdirectory— インストール先のフォルダの名前。ゴーストのフォルダの名前と同じにする- ほかの行は、そのまま写す
descript.txt を書く
次は名簿ですわ。ゴーストの名前と作者の名前、それから頭脳に pasta.dll を使うことを、descript.txt に書きますの。
ghost/master/descript.txt を作り、次の内容を UTF-8 で保存する。
charset,UTF-8
type,ghost
name,my-ghost
sakura.name,女の子
kero.name,男の子
craftman,your-name
craftmanw,あなたの名前
shiori,pasta.dll
name— ゴーストの名前。my-ghostを自分の決めた名前に置き換えるcraftman・craftmanw— 作者の名前。your-name・あなたの名前を自分のものに置き換えるsakura.name・kero.name— 2 人のキャラクターの表示名である- 辞書の中で呼ぶアクター名は、表示名ではなく
pasta.tomlの[actor]で決まる。表示名を変えても、辞書の書き方には影響しない shiori,pasta.dll— ゴーストの頭脳(SHIORI)としてpasta.dllを使うという宣言。この行は変えない
sakura.name の 女の子 が、辞書の中で呼ぶ名前になるのでございますね。
惜しいですわね。それは表示名ですの。辞書の中で呼ぶ名前は、次に書く pasta.toml が決めますのよ。
pasta.toml を書く
最後に書くのは pasta.toml ですわ。pasta の暮らし方を決める設定ですけれど、起動に欠かせないのは [actor] だけですのよ。
ghost/master/pasta.toml を作り、次の内容を UTF-8 で保存する。
[actor."女の子"]
spot = 0
[actor."男の子"]
spot = 1
- 起動に必須なのは
[actor]だけである。ほかのセクションは省略でき、省略すると既定値が使われる pasta.tomlのファイルそのものは必須である。無いと、ゴーストの読み込みは失敗する[actor."女の子"]の女の子がアクター名である。辞書の中では、この名前でアクターを呼ぶ- アクター名は
女の子・男の子のままにする。この先の章の辞書が、この名前で書かれている spot— そのアクターの台詞を出すバルーン(吹き出し)を決める。0がメイン(sakura 側)、1がサブ(kero 側)であるspotには既定値が無い。アクターごとに必ず書く- 全セクション・全キーの説明は、pasta.toml リファレンス にある
むずかしく考えなくてよろしいのよ。spot は、その子の台詞をどちらの吹き出しに出すかの番号ですわ。0 がメインの側、1 がサブの側ですの。
hello-pasta から写す
残りの 3 つは、書くものではなく写すものですわ。完成した見本の hello-pasta を SSP にお招きして、そこから拝借いたしますの。
hello-pasta.nar(最新版)をダウンロードする。hello-pasta.narを SSP のウィンドウへドロップして、SSP に入れる。- SSP をインストールしたフォルダの中の
ghost/hello-pasta/を開く。 - 次の表の 3 つを、自分のゴーストの同じ場所へ写す。
写すもの(ghost/hello-pasta/ の中) | 写す先(自分のゴーストのフォルダの中) |
|---|---|
ghost/master/pasta.dll | ghost/master/pasta.dll |
ghost/master/THIRD_PARTY_LICENSES.txt | ghost/master/THIRD_PARTY_LICENSES.txt |
shell/master/(フォルダごと) | shell/master/ |
THIRD_PARTY_LICENSES.txtは、pasta.dllが含むソフトウェアのライセンス表示である。pasta.dllと同じ場所に置き、ゴーストを配布するときも一緒に配る- シェル(
shell/master/)は、hello-pasta のものをそのまま使う。中のファイルには手を入れない scripts/は写さない。自分のゴーストにscripts/を作る必要もない(自分で Lua スクリプトを書くときに使う場所である。前提環境と準備)- SSP に入れた hello-pasta は、完成版の見本としてそのまま残す
お嬢様、ライセンスの文書まで写すのでございますか。
ええ、大切な礼儀ですわ。pasta.dll は、多くのソフトウェアの力を借りていますの。その表示は、いつも pasta.dll の隣に置くものですのよ。
シェルの中身
写したシェルの中を、ちょっとのぞいておきましょう。会話の辞書とは別の世界ですけれど、何が入っているかを知っておくと安心ですわ。
| ファイル | 役割 |
|---|---|
descript.txt | シェルの定義(名前・作者・吹き出しの位置など) |
surfaces.txt | サーフェス番号と画像の対応 |
surface0.png〜surface8.png | 女の子の立ち絵(表情 9 種) |
surface10.png〜surface18.png | 男の子の立ち絵(表情 9 種) |
女の子の立ち絵(surface0.png・笑顔) | 男の子の立ち絵(surface10.png・笑顔) |
|---|---|
![]() | ![]() |
- サーフェス — シェルが持つ、表情ごとの絵。番号で指す
- 辞書とシェルの接点は、サーフェス番号だけである。番号に表情の名前を付けるのは、3 段目:表情を変えたい で行う
pasta.dllは、シェルのファイルを読まない。絵を出すのは SSP である- 吹き出し(バルーン)は、hello-pasta に入っていない。SSP で選ばれているバルーンが使われる
- このガイドは、シェルを作り替えない。自分の絵にしたくなったら、同じ番号の画像を差し替えるところから始められる
- シェルのファイルの書き方は、UKADOC の シェルの descript.txt と surfaces.txt にある
- 絵の差し替え・表情の追加・当たり判定・吹き出しの位置は、シェルを自分の絵にする にまとめてある
お嬢様、絵を描けない者は、ここで行き止まりでございましょうか。
いいえ、見本の絵をそのまま借りて進めばよろしいの。絵は、あとからいくらでも着せ替えられますわ。
SSP の ghost/ に置く
一式がそろいましたわね。では、あなたのゴーストを SSP のおうちへ運び入れましょう。
自分のゴーストのフォルダを、フォルダごと、SSP をインストールしたフォルダの中の ghost/ の下へ置く。
SSP をインストールしたフォルダ/
└── ghost/
├── hello-pasta/ 写すときに入れた見本
└── my-ghost/ 自分のゴースト(自分の決めた名前)
- 置いたあとの
ghost/の下には、hello-pasta/と自分のゴーストのフォルダが並ぶ - 辞書がまだ 1 枚も無いので、この章では起動しない
- 最初の起動は、次の章 1 段目:しゃべらせたい で、最初の辞書を 1 枚足してから行う
お嬢様、せっかく運び入れたのですから、すぐに起動してみてはいかがでございましょう。
まだですわ。辞書が 1 枚も無いうちは、あの子もひとことも話せませんの。最初の起動は、最初のひとことと一緒にいたしますのよ。
器はできあがりましたわね。まだ姿も声もありませんけれど、もうあなたのゴーストですのよ。
次の章で、いよいよ最初のひとことでございますね。
ふふん、お楽しみはこれからですわ。あの子の産声を、聞きに参りましょう。

